研究課題
本研究は、シスタチオニン β-シンターゼ、シスタチオニン γ-リアーゼ、および3-メルカプトピルビン酸イオウ転移酵素の3つの酵素について、それらの制御メカニズムの解明をその翻訳後修飾に着目し行なったものである。上記の3つの酵素は含硫アミノ酸の代謝に関わる酵素であり、近年シグナル分子として注目を浴びている硫化水素産生に関わると報告されているものである。硫化水素については様々な論文が数多く執筆されているが、未だ不明な点が多いのが現状である。よってこれらの酵素の制御メカニズムを解明することは非常に意義深いものである。我々はこの3つの酵素について、そのリン酸化修飾に着目し検討を行った。種々のたんぱく質リン酸化酵素を用いて上記の3つの酵素のリン酸化修飾を試みたところ、シスタチオニン β-シンターゼのみがリン酸化修飾されることが分かった。またシスタチオニン β-シンターゼのリン酸化修飾について、質量分析および点変異導入法を用いた解析によりその修飾部位の同定に成功した。さらに、これまでのラット由来の酵素に加え、ヒト由来の酵素の実験系も確立し平行して研究を進めた。現在シスタチオニン β-シンターゼのリン酸化修飾の意義について精力的に研究を進めている。これらの結果はシスタチオニン β-シンターゼの翻訳後修飾、特にリン酸化修飾による制御の可能性を具体的に示した新たな知見であり、今後の展開が期待されるものである。
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Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America.
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10.1073/pnas.1321232111
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