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2012 年度 実施状況報告書

糖尿病性血管障害におけるウリジンアデノシンテトラフォスフェートの生理的意義

研究課題

研究課題/領域番号 24790265
研究機関星薬科大学

研究代表者

松本 貴之  星薬科大学, 薬学部, 助教 (30366835)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード糖尿病性血管機能障害 / 内皮由来因子
研究概要

新規内皮由来収縮因子 (endothelium-derived contracting factor; EDCF) uridine adenosine tetraphosphate (Up4A) は、生理的状態下、すなわち病態下でない状態において、反応性に関していくつか報告がなされているが、病態下における検討はほとんどなされていない。そこで、本プロジェクトにおいては、糖尿病性血管機能障害における、Up4Aの生理的意義を明らかとすることを目的としている。
まず、Up4Aの動脈における血管反応性の糖尿病時における変化を測定するために、2型糖尿病を長期的に罹患した病態モデル Goto-Kakizakiラット (GKラット)とその対照の Wistar ラットから、動脈を摘出して収縮反応性について検討を行った。Up4A による収縮反応は、対照Wistar 群と比較して、GK 群において、腎動脈で増大、大腿動脈で減弱、頸動脈で変化無し、という動脈部位特異性を見いだした。また、頸動脈においてはUp4Aによる収縮に変化が認められなかったが、セロトニンによる収縮反応はGK群で増強していた。今後、この Up4A の反応に対する動脈部位特異性の生理学的意義を明らかにするとともに、他の因子とのクロストーク、腎動脈における増強メカニズムの詳細な解析、Up4A の血管内皮及び平滑筋細胞に対する影響並びにこれらの細胞における情報伝達機構を詳細に検討する予定である。本研究によって、糖尿病性血管合併症の発症・進展における Up4Aの生理的意義が明確になると考えられ、治療的戦略に繋がると確信する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

糖尿病病態を長期的に罹患したモデルを作成すること自体に、時間がかかるが、そのモデルにおけるUp4Aの血管反応性を検討することに成功した。病態下における反応性についての更なる検討が必要であり、動脈によっては、シグナル伝達を詳細に検討するための遺伝子、タンパク質を十分量調整することに困難を要するが、現在その調整中である。

今後の研究の推進方策

現在も引き続き、長期罹患糖尿病モデル動物より、種々の血管をUp4Aで刺激したサンプルを調整中である。今後は、薬理学的・生理学的手法や、生化学的手法を駆使して、細胞内情報伝達機構を明らかにするとともに、細胞レベル(内皮細胞、平滑筋細胞)におけるUp4Aによる情報伝達機構を詳細に検討する予定である。
また、Up4Aを長時間暴露したときにおける内皮・平滑筋機能への影響についても検討を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

上記研究を遂行するために、実験動物、薬理学・生理学的試薬(アゴニスト、アンタゴニスト、活性化薬、阻害薬など)、抗体、ELISAキットなどに研究費を使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 2型糖尿病ラット摘出腎動脈における uridine adenosine tetraphosphate による収縮反応性の検討2013

    • 著者名/発表者名
      松葉 優矢、松本 貴之、渡邊 駿、森 真里英、名取 世津子、川村 隆輔、藤井 真理子、小林 恒雄
    • 学会等名
      日本薬学会第133年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      20130327-20130330
  • [学会発表] 2型糖尿病ラット摘出頸動脈におけるセロトニンによる収縮反応性の検討2013

    • 著者名/発表者名
      渡邊 駿、松本 貴之、松葉 優矢、名取 世津子、森 真里英、藤井 真理子、川村 隆輔、小林 恒雄
    • 学会等名
      日本薬学会第133年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      20130327-20130330

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公開日: 2014-07-24  

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