研究課題
iPS細胞からの胚様体形成法において特定の細胞内シグナルに作用する化合物を投与し、さらに分化誘導法を改良することにより多くの細胞株において80%以上の高効率で心筋細胞を分化誘導することが可能になった。また心筋特異的レポーター、あるいは心筋特異的マーカーに対する抗体を用いてソーティングすることにより95%程度の純度の心筋細胞を得ることが可能であった。更にルシフェラーゼを恒常的に発現するiPS細胞株は細胞数とルシフェラーゼによるシグナルがよく相関するため生着細胞数を定量的に測定することが可能であった。免疫不全マウス(NOGマウス)に左冠動脈前下行枝結紮法により心筋梗塞をつくり、ルシフェラーゼ恒常発現iPS細胞を用いた分化誘導の各段階の分化細胞を移植したところ、未分化iPS細胞や中胚葉細胞では移植細胞の生着シグナルは速やかに消失したが、分化心筋細胞を移植したところ生着シグナルが長期間にわたり認められた。また心臓組織の免疫染色においても移植細胞の生着が認められた。エコー検査による心機能評価においては対照群と比較して分化心筋細胞移植群において有意な心機能の改善が認められた。これらの結果からiPS細胞より分化させた心筋細胞を適切な時期に移植することにより、生着成熟が進み、心機能の改善が認められると考えられる。今後は移植生着心筋の性状についてさらに解析を進めてゆく必要があると考えられる。
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Scientific Report
巻: 4 ページ: 3594
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Circulation Research, WAX
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