研究課題/領域番号 |
24790285
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
坂根 亜由子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60509777)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 高次生命機能システム / エキソサイトーシス / 細胞間接着形成 / 神経突起伸長・シナプス形成 / Rabファミリー低分子量G蛋白質 |
研究概要 |
高次生命機能システムの獲得や発現・維持には、担当細胞同士が情報交換し、細胞外の環境に応じて個々の細胞機能が系全体として統括されることが必要である。その統括機構の本体は、小胞輸送の主要経路であるエキソサイトーシスと考えられる。本研究では、器官形成時の細胞間接着形成および神経発生・再生時の神経突起伸長・シナプス形成に焦点を当てて、高次生命機能システムの獲得におけるエキソサイトーシスの制御機構を明らかにすることを目的とする。 本年度の本研究では、Rab13-JRAB系によりエキソサイトーシスされる小胞のcargoの候補となる膜蛋白質を見出し、その輸送の制御と神経突起伸長・シナプス形成との関係を明らかしつつある。また、これまでに上皮細胞においてRab13とJRABが接着分子の細胞膜への輸送を制御することを見出してきたが、本研究ではRab13との結合に依存したJRABの構造変化が細胞間接着形成に先立つ、または伴うアクチン細胞骨格の再編成を精巧に調節していることを示した。具体的には、複数のアクチン結合蛋白質を新たなJRAB結合蛋白質として同定し、JRABがその構造依存的にアクチン結合蛋白質群との相互作用を変化させながらアクチン細胞骨格の再編成を統合的に制御していることを明らかにした。現段階では、Rab13-JRAB系が細胞間接着形成過程に認められる小胞輸送とアクチン細胞骨格の再編成のクロストーク機構に重要な役割を果たしている可能性が考えられる。さらに、本研究ではRab13とJRABの各ノックアウトマウスを作製しており、現在、これらのマウスを用いて、Rab13-JRAB系の作用機構について個体レベルの解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、Rab13-JRAB系について細胞間接着形成および神経突起伸長・シナプス形成におけるエキソサイトーシスの作用機構の一部を解明できたが、ノックアウトマウスを用いた個体レベルの解析が期間内に終了できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で作製したRab13とJRABのノックアウトマウスにつき、個体レベルの解析を引き続き行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費 155万円 旅 費 15万円 次年度への繰越額2,730円は4月に支払済である。
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