研究課題
概日リズムの中枢である視交叉上核の発生機構を明らかにすることを目的とし、以下のことを明らかにした。1.視交叉上核を構成するニューロンを産生する神経幹細胞が位置する場所、2.Dbx1が視交叉上核ニューロンを産生する神経 幹細胞に発現していること、3.Dbx1が視交叉上核の形成に関わっている事。 本年は、Dbx1の役割を明らかにするためにノックアウトマウスの解析、Dbx1の強制発現実験を行った。視交叉上核のニューロンはマウスの胎生12日目から15日目に産生されることがわかっており、ホメオボックス型転写因子Dbx1は、 間脳の最も腹側に位置する神経幹細胞において、この時期に一過的に発現している。前年度に、視交叉上核のニューロンの一部は少なくとも、Dbx1を発現する領域の神経 幹細胞から産生されることを明らかにしている。Dbx1ノックアウトマウスの解析結果より、Dbx1陽性でみる視交叉上核の大きさが約10%減少しており、Rorα陽性のニューロンの数自体も減少していることが明らかとなった。一方、視交叉上核の一部のニューロンに発現しているホメオボックス型転写因子Lhx1は、若干ではあるが増えていることを示唆された。このことから、Dbx1は視交叉上核のRorα陽性ニューロンの運命を決定することに関わってい るのかもしれない。Dbx1は運命決定に関わっているのかさらに検討するために、Dbx1を発生期の視交叉上核幹細胞に強制発現させ、解析を継続している。
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Development
巻: 141 ページ: 1671-1682
10.1242/dev.102988.
General and Comparative Endocrinology
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