研究課題
Dnmt1による維持DNAメチル化はDNA複製時におけるDNAメチル化パターンの継承に重要な役割を果たしている。本研究においては、前年度(平成24年度)までに、(1) DNAメチル化維持機構のツメガエル卵抽出液を用いた試験管内による再現、(2)Uhrf1による新規ヒストンH3ユビキチン化の同定、(3)ユビキチン化ヒストンH3を介したDnmt1リクルートの分子機構の解明、という成果を得た。平成25年度は、ヘテロクロマチンタンパク質HP1と結合することが知られ、DNAメチル化制御に関わると考えられているTrim28に着目し、その機能解析をツメガエル卵抽出液を用いて行った。まず、ツメガエルTrim28のcDNAをクローニングし、その全長について、ヒスタグ融合タンパク質として大腸菌で発現・精製を行った。得られた精製タンパク質を抗原とし、特異抗体を作製した。まず、Trim28のDNA複製時のクロマチン結合について検討したところ、Trim28はS期のDNA複製開始の時期と一致して、そのクロマチン結合量が増加し、DNA複製阻害剤の添加によりクロマチン上のTrim28レベルは大きく低下することが分かった。また、興味深いことに、S期の進行に伴い、Trim28の翻訳後修飾と思われるSDS-PAGE上での移動度の変化が観察された。これはTrim28がDNA複製の過程で重要な役割を果たしていることを示唆している。現在、Trim28を卵抽出液から免疫除去し、そのDNA複製及びDNAメチル化に与える影響を詳細に解析中である。
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Nature
巻: 502(7470) ページ: 249-253
10.1038/nature12488