本研究では糖鎖の動態の生物学的意義を明らかにするため、質量同位体測定に基づいた糖ヌクレオチドと糖鎖の高速・高感度解析法を確立した。13C6-グルコースで標識したUDP-GlcNAcとCMP-NeuAcの質量同位体パターンはUDP-GlcNAcの代謝経路の流れを示した。13C2-グルコサミンで標識した糖鎖の質量同位体パターンは各糖鎖の代謝回転を示した。膵臓β細胞由来インスリノーマにおいてシアル酸代謝経路からシアル酸合成経路が遅いことが明らかになった。本法は細胞内における単糖の代謝動態を統合的に知るうえで有用なツールになりえる。
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