研究課題
本研究の目的は、Mastermind-like domain containing 1(Mamld1)遺伝子欠損マウスを用いて、胎生期精巣の男性ホルモン産生におけるMAMLD1/Mamld1の役割を解明することである。平成25年度は下記の成果が得られた。1. Mamld1遺伝子は胎生中期から後期のマウス胎仔精巣で発現しており、その発現量が経時的に増加することを見出した。これはマウス胎仔精巣において報告されているテストステロン合成量の増加と一致していた。このことから、Mamld1はテストステロン産生に関与していることが示唆される。2. 胎生中期から後期のMamld1遺伝子欠損マウスの胎仔精巣において、ライディッヒ細胞特異的遺伝子(Star、Cyp11a1、Cyp17a1、Hsd3b1、Insl3)の発現量が著明に低下していることを見出した。しかし、Mamld1遺伝子欠損マウスの胎仔精巣において、CYP17A1、HSD3Bのタンパク質の発現量は、野生型マウスと比べて違いがなかった。このことから、Mamld1は、胎仔精巣のライディッヒ細胞特異的に発現する遺伝子について、転写レベルでの発現制御に関与するが、翻訳レベルでは影響を与えないと考えられる。これまでの解析から、Ad4BPの調節下において、Mamld1はCyp17a1遺伝子の発現調節を介して、テストステロン産生に関与すると示唆される。
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