研究課題/領域番号 |
24790309
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
齋藤 祥子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (70344885)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 核-細胞質間輸送 / 核膜孔複合体 / 白血病 / エクスポーチン / mRNA / NESタンパク質 |
研究概要 |
本研究では、生体高分子の核―細胞質間輸送異常による発がん機構の解明を目指し、核内外物質輸送の補助を行っている核膜孔構成因子Nup214の転座型融合遺伝子産物であるSET-Nup214、DEK-Nup214の機能解析を行っている。今年度は、以下の2点を行った。 1.【Nup214融合遺伝子産物の結合する核―細胞質間物質輸送因子の決定】 SET-Nup214あるいはDEK-Nup214と結合する因子を質量分析装置により同定し、タンパク質やRNAの核移行あるいは核外移行を担う因子が複数両タンパク質と結合することを明らかにした。また同定された輸送因子間でNup214融合遺伝子産物との相互作用には違いがあり、特に核外輸送因子であるNXF1/TAP及びXpo1/CRM1とNup214融合遺伝子産物が結合すること、それらの積み荷であるmRNAやタンパク質が融合遺伝子産物発現細胞では核内に滞留していることを見出した。 2.【細胞内輸送異常がおきるタンパク質の実体の同定】 上記の結果から、Nup214融合遺伝子産物発現によって生じたタンパク質の核-細胞質間移行の異常が発がん機構に関与している可能性が考えられたことから、細胞内局在に変化が生じたタンパク質の同定を試みた。融合遺伝子発現細胞及び非発現細胞から核抽出液を調製し、蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動を行い、因子の同定を行う。現在、実験系の構築がほぼ終了したため、今後は変化が見られたタンパク質を質量分析装置により同定する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遂行する順番に変更は生じたが、研究計画に記述した実験については1年間で遂行する予定の実験は進んだので、おおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に引き続き、細胞内局在に変化が生じたタンパク質の同定を試みる。加えて融合遺伝子発現によりmRNAの核内への蓄積も見られていたことから、細胞内局在に変化が生じたmRNAをマイクロアレイにより同定する。同定された因子については、局在変動が細胞増殖や分化能に及ぼす影響を同定因子の強制発現やノックダウンにより評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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