研究課題/領域番号 |
24790309
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
齋藤 祥子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (70344885)
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キーワード | 核―細胞質間輸送 / 核膜孔複合体 / NESタンパク質 / NF-kB |
研究概要 |
平成25年度は、以下の解析を行った。 【Nup214融合遺伝子産物がNF-kB経路に与える影響の解明】 NF-kBの構成因子p65およびその調節因子IkBaはそれぞれに存在するNLS及びNES配列に依存して核―細胞質間を移動し、そのことはNF-kB経路の制御に重要な役割を果たしている。SET/DEK-Nup214は人工的に作成したNESタンパク質の核外輸送を阻害する。そこで、両タンパク質が内在性のNESタンパク質局在にも影響を与え、影響をうけたNESタンパク質が関わる経路へ作用を及ぼすのではないかと考え、SET/DEK-Nup214がNF-kB経路に与える影響の解析を行った。正常細胞では刺激非存在下において、p65およびIkBは細胞質に存在する。一方、SET/DEK-Nup214発現細胞では両タンパク質の発現量に依存してp65およびIkBの核への蓄積が起きていた。次に、NF-kB活性をレポーターアッセイとRT-PCRにより検討したところ、SET/DEK-Nup214発現の有無による転写活性の違いは見られなかった。理由として、転写因子p65と共にp65の活性阻害因子であるIkBaも核へ移動したため、両者の複合体が核内で形成され、p65が活性型として機能していないことが推測される。免疫沈降法およびChIPアッセイの結果、SET/DEK-Nup214発現細胞でp65はIkBaと結合していること、p65はプロモーター上へほとんどリクルートされていないことが明らかとなった。一方、TNF-a存在下では、SET/DEK-Nup214発現細胞においてNF-kBの活性抑制が見られた。正常細胞では、TNF-a刺激後にIkBaは分解され、p65との相互作用は消滅する。免疫染色の結果、SET/DEK-Nup214発現細胞ではTNF-a刺激後でもIkBaが核内に存在しており、このことがNF-kB活性を抑制している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
抽出液の最適化及び2次元電気泳動のセットアップに時間がかかったため、研究計画・方法の(1)に記述したプロテオーム解析について遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
研究に遅れが生じている①細胞内局在に変化が生じたタンパク質の質量分析による同定、および②細胞内局在に変化が生じたmRNAのアレイによる同定、を行う。また3年間で遂行した研究結果を国際学会で発表、論文投稿を行いたいと考えている。
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