我々は細胞周期関連ユビキチンリガーゼの生体機能および疾患、との関連に注目し、特に炎症、細胞死および細胞増殖、線維化が連続して起こる腎障害モデルに着目し解析するために、片側尿管閉塞性マウスモデルを経時的に1、3、5、7、14日で作製した。また、コントロール腎として、Sham operationしたマウスの腎臓を7日目で取り出した。これらのUUO腎を用いてウエスタンブロット法にてタンパク量を調べてみると、UUO3日目からp130/RB2タンパク量が増加し、Sham ope腎と比較すると7日目でp130/RB2タンパク質が最も顕著に蓄積することを見出した。一方、mRNAの発現量をQRT-PCR法で調べた結果、UUO1日目、3日目でp130/RB2mRNAレベルは減少傾向を示したが5日目からはSham ope腎レベルまで回復した。 また、本研究ではp130の腎障害における機能を明らかにするため、p130ノックアウト(KO)マウスを用いて3、7、14日のUUOを作製した。野生型マウスUUO腎とp130KOマウスUUO腎を用いて、細胞増殖マーカーであるKi67抗体により免疫染色し比較検討した結果UUO3日目で尿細管上皮細胞の細胞増殖が野生型UUO腎よりp130KOマウスUUO腎で増加していることが確認された。細胞増殖に増加に伴い、野生型マウスUUO腎よりp130KOマウスUUO腎で尿細管の拡張が多く見られた。また、階も同様にp130KOマウスUUO腎で増加していることがわかったこれらの結果から、p130は腎障害初期にて細胞増殖を停止させる方向に働くために、尿細管上皮細胞および間質細胞にて鋤日していることが示唆された。
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