ウサギが26週齢になった時点で、10%脂肪を含む飼料(高脂肪食)の給与を開始し、その4週後に歩行運動の負荷を開始した。運動負荷期間は12週間で、1日1回の歩行運動を週に5日負荷した。開始から1~6週目までは、15 m/分の速度で15、20、25、30、35、40分間と運動時間を延長し、その後7~12週目までは1 8 m/分の速度で40分間の歩行運動をウサギに負荷した。 ウサギの体重は高脂肪食の給与により増加したが、12週間の運動負荷により脂質・運動負荷前と近い値へと減少した。 運動負荷期間の終了後、絶食時に静脈内にグルコースを投与して継時的に採血し、血糖値の変化を観察した(静脈内糖負荷試験)。その結果、野生型(JW)およびリポ蛋白リパーゼ(LPL)遺伝子導入(Tg)ウサギに比べ、アポリポ蛋白(apo)AII-Tgウサギでは血糖値の下降速度が遅い傾向にあった。同様の試験を脂質・運動負荷前に行った場合の血糖値の下降速度は、JWウサギに比べLPL-Tgウサギでは早く、apoAII-Tgウサギでは遅い傾向にあった。 また、二重標識水をウサギの静脈内に投与し、4時間後、7日間後に採血して、血中の標識水の濃度を計測した。その後安楽殺したウサギから、皮下脂肪、内臓脂肪、骨格筋、肝臓などを採取し、遺伝子発現解析用の凍結サンプルとして保存した。
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