研究課題
研究代表者らは、ヌクレオチド除去修復(nucleotide excision repair: NER)欠損性疾患である紫外線高感受性症候群(UV-sensitive syndrome: UVSS)の疾患責任遺伝子UVSSAを同定し、機能解析を行う過程で、レンチウイルスによる相補性試験の系を確立した。本研究において、このレンチウイルス相補性試験の技術を応用し、迅速な臨床診断法を確立するとともに、新たな原因遺伝子不明のNER欠損性疾患症例を収集し、その責任遺伝子同定と機能解析を行う事を目的とした。本研究の初年度には、レンチウイルスを用いた相補性試験を応用して、NER欠損性疾患疑い症例の迅速な確定診断法を確立した。また、診断を行う中で、これまでXPの責任遺伝子として知られていたERCC1の異常がCSの発症に関わる事、XPFの異常がXP/CS/ファンコーニ貧血(FA)合併症の原因となる事を突き止めた。さらに、診断を進める中で、NERだけではなく、種々のDNA修復機構欠損が原因と疑われる検体も多数収集された。そこで、より広範なDNA損傷修復機構の修復活性を評価する技術の開発に取り組んだ。その結果、DNA鎖間架橋を誘発する薬剤等への感受性、あるいは放射線感受性を調べる技術を確立し、報告した(Jia, Nakazawa et al. Nature Protocols 2015)。本技術を用いて、これまで収集した検体を対象に、再度スクリーニングを実施したところ、新たな放射線感受性症例を同定した。
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Nature Protocols
巻: 10 ページ: 12-24
10.1038/nprot.2014.194.
Journal of Clinical Investigation
巻: 124 ページ: 3137-3146
10.1172/JCI74593.
http://www.nrgic.prj.nagasaki-u.ac.jp/