RUNX1およびRUNX3は神経発生を司る転写因子であり、小児がんである神経芽腫への関与が疑われる。神経芽腫細胞株ではRUNX1/3のタンパク量は厳密に調節されており、量的撹乱は細胞死を引き起こす。本研究では、RUNX1/3 のmRNA非翻訳領域(3’UTR)にタンパク翻訳阻害作用があること、がん遺伝子N-Mycにより転写誘導されるmicroRNAがRUNX1/3の3’UTR配列に結合することを発見した。該当するmicroRNAの結合配列に変異を導入すると、3’UTRのタンパク合成抑制機能が解除された。N-Mycは、microRNA を介してRUNX転写因子の量的調節を行う可能性が示唆される。
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