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2012 年度 実績報告書

酸化ストレスによる新たな組織修復機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24790328
研究機関順天堂大学

研究代表者

仁科 隆史  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50598365)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2013-03-31
キーワード酸化ストレス / 活性酸素種 / 組織修復 / IL-11 / MAPキナ-ゼ / 親電子 / STAT / BAC トランスジェニックマウス
研究概要

酸化ストレスの亢進は様々な疾患の悪化を促進している一方で、組織修復に関与することが示唆されている。しかしながら、作用機序に関して不明な点が多く残されており、これらの点を明らかにすることは生体恒常性維持機構や疾患を理解する上で非常に重要である。本研究では、酸化ストレスによって発現誘導されることを新たに見出したIL-11の発現制御機構と、IL-11によって誘導される組織修復の作用機序を明らかにすることを目標とした。
酸化ストレスによるIL-11の発現調節とその制御領域の同定を行うために、活性酸素種と同様にタンパク質修飾を介してシグナル伝達機構を活性させる親電子分子の一つである1,2-ナフトキノン(1,2-NQ)を用いてIL-11の発現制御機構の解析を行った。その結果、1,2-NQはMAPキナ-ゼ経路の一つであるMEK-ERK経路の活性化を誘導し、転写因子AP-1を介してIL-11の産生を誘導していることを見出した。また、IL-11受容体欠損マウスを用いて1,2-NQに対する影響を調べた結果、IL-11は1,2-NQ投与により生じる毒性に対して抵抗性を示す分子であることを新たに見出した。現在、DNAマイクロアレイ解析も含めてIL-11の下流で組織修復などに関わる分子の同定を行っている。
またIL-11の産生をIn vivoで可視化するために、IL-11プロモ-タ-下流で蛍光タンパク質EGFPが発現誘導されるよう組換えを行ったIL-11-EGFPマウスを作成した。このマウスにおいては、内在のIL-11 mRNA量とEGFP mRNA量は強く相関していた。また、酸化ストレスの亢進が見られる肝障害モデルにおいてはIL-11の発現上昇にともなって肝臓においてEGFPの発現増大が見られた。これらことから、IL-11の発現をIn vivoでモニタリングできるマウス系統の樹立ができたと考えられる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Interleukin-11 links oxidative stress and compensatory proliferation2012

    • 著者名/発表者名
      Nishina T 他
    • 雑誌名

      Science Signaling

      巻: 5 ページ: ra5

    • DOI

      10.1126/scisignal.2002056.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] c-FLIP maintains tissue homeostasis by preventing apoptosis and programmed necrosis2012

    • 著者名/発表者名
      Piao X 他
    • 雑誌名

      Science Signaling

      巻: 5 ページ: ra93

    • DOI

      10.1126/scisignal.2003558.

    • 査読あり
  • [学会発表] 親電子リガンドによる IL-11 産生機構の解明2013

    • 著者名/発表者名
      仁科隆史、新開泰弘、熊谷嘉人、奥村康、中野裕康
    • 学会等名
      第12回 分子予防環境医学研究会
    • 発表場所
      筑波
    • 年月日
      20130201-20130202
  • [学会発表] Oxidative stress triggered by electrophiles activates Interleukin 11 expression2012

    • 著者名/発表者名
      仁科隆史、新開泰弘、熊谷嘉人、奥村康、中野裕康
    • 学会等名
      第35回 日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20121211-20121214
  • [学会発表] Interleukin 11 links Oxidative Stress and Compensatory Proliferation2012

    • 著者名/発表者名
      Nishina T, Piao X, Putoczki T, Ernst M, Tsumoto K, Okumura K, Nakano H.
    • 学会等名
      IEIIS2012 Homeostatic Inflammation Symposium
    • 発表場所
      Tokyo
    • 年月日
      20121023-20121026
  • [学会発表] 酸化ストレスと組織修復を仲介する分子の同定2012

    • 著者名/発表者名
      仁科 隆史、朴 雪花、津本 浩平、奥村 康、中野 裕康
    • 学会等名
      第19回 肝細胞研究会
    • 発表場所
      札幌医科大学
    • 年月日
      20120629-20120630
  • [学会発表] 酸化ストレスと組織修復を仲介する分子の同定

    • 著者名/発表者名
      仁科 隆史
    • 学会等名
      第2回 東京大学医科学研究所 若手研究セミナ-
    • 発表場所
      東京大学医科学研究所
    • 招待講演
  • [図書] “酸化ストレスによる生体の恒常性維持機構” 実験医学 増刊2012

    • 著者名/発表者名
      仁科隆史、中野裕康
    • 総ページ数
      218
    • 出版者
      羊土社

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公開日: 2014-07-24  

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