研究課題
サルコイドーシスは、全身の諸臓器・組織に、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が形成され、様々な臓器傷害を呈する疾患である。本邦において、ぶどう膜炎の原因疾患として上位を占め、心臓病変を主因とする死亡の割合が高い。そのため、サルコイドーシスの予防および迅速な診断法を確立することは、非常に有意義なものといえる。私達は、日本人サルコイドーシス患者を対象としたゲノムワイドな相関解析(genome-wide association study:GWAS)を完了している。本研究では、GWASで有意性を示したSNPを対象に、新たな集団を用いて相関解析(再現性の検討)を行った。日本人集団のGWASで得られた結果を新たな日本人集団およびチェコ人集団を用いて再現性の検討を行った結果、人種を超えてサルコイドーシスと有意に相関を示す疾患感受性遺伝子を同定した。同定した遺伝子を対象に機能解析(立体構造解析および発現解析)を行ったところ、疾患感受性SNPs(single nucleotide polymorphisms:一塩基多型)に起因して遺伝子の機能異常および遺伝子発現量の変動が生じる可能性が示唆された。本研究で同定された遺伝情報は、サルコイドーシスの発症のメカニズムおよび病態の解明に大きく貢献すると考えられる。さらに、同定された遺伝情報はサルコイドーシス感受性遺伝子(分子)の機能を抑制する分子標的薬の開発につながり、その臨床的意義は極めて大きいと言える。
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