乳癌では5年以降の再発である遅発性再発(late recurrence)が他の癌腫に比較して多いのが特徴であるが、この遅発性再発に乳癌幹細胞が関与している可能性が最近示唆されている。本研究では、従来の免疫染色法に加え、無機系蛍光ナノ粒子を用いて、抗ALHD1抗体及び抗ABCトランスポーター抗体MDR-1が遅発性乳癌と乳癌幹細胞の関連を検討することを目的とした。結果、遅発性再発はliminal Aが有意に多く、その中でMDR-1陽性は26%であったが独立した予後因子ではなかった。温存乳房内再発症例での検討でも、ALDH-1、MDR-1とも遅発性再発と有意な相関が認められないことを明らかにした。
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