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2012 年度 実施状況報告書

新たな免疫システムとしてのオートファジーの膜動態解析

研究課題

研究課題/領域番号 24790413
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

野澤 孝志  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, テニュアトラック助教 (10598858)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードオートファジー / A群レンサ球菌 / Rab GTPase
研究概要

当該年度においては、60種のRabファミリータンパク質をクローニングし、細菌感染時の細胞内局在を解析することで、細菌分解を行うオートファゴソームに局在するRabのスクリーニングを行った。その結果、新たに6つのRabがオートファゴソームに局在していることを明らかにした。そのうち、栄養飢餓時のオートファゴソームには局在しない、細菌感染時特異的なautophagosomal Rabとして、Rab9AとRab23を同定し、その機能解析を行った。Rab9Aはオートファゴソーム・オートリソソームに局在し、小さなオートファゴソーム同士の融合とオートファゴソーム-リソソームの融合に関与していることが示唆された。一方、Rab23は隔離膜・オートファゴソームに局在し、オートファゴソームが細菌をターゲットするステップに関与していることが示唆された。これらのRabをノックダウンした細胞においては、オートファジーによる細菌分解能が低下していたことからも、細菌分解オートファジーに必須な因子であることが明らかとなった。この結果は、Cellular Microbiology誌に掲載され、Editor’s Choiceにも選定された(Nozawa et al. Cell Microbiol. 14:1149-65. 2012) 。今回の結果は、細菌分解オートファジーにおいては、通常のオートファジーとは異なる制御因子が関与していることを証明しており、学術的な観点だけでなく、臨床応用に向けたオートファジー制御の観点からも非常に重要な知見であると考えられる。
さらに、当初、1年目で同定したRabの相互作用因子探索を2年目で行う予定だったが、1年目でこれも実施し、相互作用因子の同定に成功した。この因子の機能解析については、現在解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初予定していた、1年目でのRabタンパク質のスクリーニングとその機能解析は予定通り終了し、論文発表と学会発表を行ったことに加え、2年目に予定していた、Rabタンパク質の相互作用因子の探索にも進んでおり、候補因子の同定も成功していることから、当初の計画以上に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

今後、1年目に同定したRabの相互作用因子の機能解析を進めることで、細菌感染時特異的なオートファジーの分子メカニズムの解明を目指す。具体的には、相互作用因子の細胞内局在解析、ノックダウン解析、さらには培養細胞でのノックアウト解析を予定している。また、Rabタンパク質の制御因子にも着目し、機能解析を進める。

次年度の研究費の使用計画

次年次においても、遺伝子クローニング、培養細胞を用いたタンパク質の細胞内局在解析、ノックダウン解析等を行うため、一般試薬類、培地、顕微鏡関連消耗品などの費用が必要となる。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Genetic Analysis of Capsular Polysaccharide Synthesis Gene Clusters from All Serotypes of Streptococcus suis: Potential Mechanisms for the Generation of Capsular Variation.2013

    • 著者名/発表者名
      Okura M, Takamatsu D, Maruyama F, Nozawa T, Nakagawa I, Osaki M, Sekizaki T, Gottschalk M, Kumagai Y, Hamada S.
    • 雑誌名

      Applied Environmental Microbiology

      巻: 79 ページ: 2796-2806

    • DOI

      10.1128/AEM.03742-12

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The small GTPases Rab9A and Rab23 function at distinct steps in autophagy during Group A Streptococcus infection2012

    • 著者名/発表者名
      Nozawa T, Aikawa C, Goda A, Maruyama F, Hamada S, Nakagawa I
    • 雑誌名

      Cellular Microbiology

      巻: 14 ページ: 1149-1165

    • DOI

      10.1111/j.1462-5822

    • 査読あり
  • [学会発表] Atg5-independent/Rab9A-dependent target of intracellular Group A Streptococcus2013

    • 著者名/発表者名
      Takashi Nozawa, Chihiro Aikawa, Shinichiro Oda, Akira Goda, Fumito Maruyama, and Ichiro Nakagawa
    • 学会等名
      FEMS 2013 (5th congress of european microbiologists)
    • 発表場所
      ドイツ・ライプチヒ
    • 年月日
      20130721-20130725
  • [学会発表] A群レンサ球菌によるオートファジーを制御するRabタンパク質群2013

    • 著者名/発表者名
      野澤孝志、相川知宏、郷田瑛、丸山史人、中川一路
    • 学会等名
      第86回日本細菌学会総会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場(千葉県)
    • 年月日
      20130318-20130320
    • 招待講演
  • [学会発表] Unique distribution of emm types and superantigen gene profiles of Group A Streptococcus isolates in Thailand2013

    • 著者名/発表者名
      Takashi Nozawa, Wantana Paveenkittiporn, Surang Dejsirilert, Shigeyuki Hamada
    • 学会等名
      AARF2013 (新興・再興感染症に関するアジア・アフリカリサーチフォーラム)
    • 発表場所
      東京医科歯科大学 (東京都)
    • 年月日
      20130123-20130124
  • [学会発表] Rab タンパク質による A 群レンサ球菌感染誘導オートファジーの制御機構2012

    • 著者名/発表者名
      野澤孝志、 相川知宏、郷田瑛、丸山史人、中川一路
    • 学会等名
      第54回歯科基礎医学会学術大会・総会
    • 発表場所
      奥羽大学(福島県)
    • 年月日
      20120914-20120916
  • [学会発表] The small GTPases Rab9A and Rab23 function at distinct steps in autophagy during Group A Streptococcus infection2012

    • 著者名/発表者名
      Takashi Nozawa, Chihiro Aikawa, Akira Goda, Fumito Maruyama, Ichiro Nakagawa
    • 学会等名
      第11回あわじしま感染症・免疫フォーラム
    • 発表場所
      淡路夢舞台国際会議場 (兵庫県)
    • 年月日
      20120911-20120914
  • [学会発表] ファージとその防御機構に着目したA群レンサ球菌ゲノムの種内多様性2012

    • 著者名/発表者名
      野澤孝志、細見晋吾、相川知宏、丸山史人、中川一路
    • 学会等名
      第2回NGS現場の回研究会
    • 発表場所
      ホテル阪急エキスポパーク(大阪府)
    • 年月日
      20120523-20120524
  • [備考] 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 細菌感染制御学分野

    • URL

      http://www.tmd.ac.jp/grad/bac/index.html

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公開日: 2014-07-24  

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