我々は本研究においてコレラ菌が保有する二つの環状染色体 [Ch1(3.0 Mb)とCh2(1.0 Mb)]に加えて、0.9 Mbのレプリコン(Ch3)を保有するコレラ菌O1を3株見出した。Ch3を保有するTSY216株のゲノムと流行型コレラ菌O1株のものを比較した。両株の染色体は高く保存されていた。一方でCh3は両染色体と共有する領域が存在しなかった。Ch3には1031個のORFと全20種類のアミノ酸に対応するtRNA遺伝子がコードされていたが、Ch3の起源や機能については不明である。本研究で示した大規模遺伝子セットの獲得は、新型のコレラ菌 O1の出現の機会を与えるかもしれない。
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