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2012 年度 実施状況報告書

百日咳菌の宿主特異性決定因子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 24790415
研究機関大阪大学

研究代表者

福井 理  大阪大学, 微生物病研究所, 特任研究員 (70397743)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード百日咳菌 / 気管支敗血症菌
研究概要

本研究では、気管支敗血症菌のゲノムライブラリーを導入した百日咳菌をラットに感染させ、IVET-IP法により感染ラットの気道における共試菌の遺伝子発現の変化を網羅的に解析することを目指す。本年度はまず、百日咳菌のラットにおける感染条件について検討を行った。ラットは気管支敗血症菌の自然宿主ではあるが、百日咳菌の宿主ではない。そこで、本研究に適した百日咳菌の感染菌数を検討するために、種々の濃度に調製した百日咳菌をラットに経鼻感染させ、感染後のラット気道における菌数の経時的推移を確認した。その結果、百日咳菌は感染後徐々にクリアランスされ、15日目ではほとんど検出できなくなった。この結果から、ラットにおける百日咳菌感染は高濃度 (100,000,000 cfu/ラット) で菌を感染させた場合でも持続しないことがわかった。特に、9日目前後で菌数の減少が著しかったことから、感染が維持できないなんらかの事由がこの時期にあると予想され、この時期 の前後で菌を回収し遺伝子発現の変化を気管支敗血症菌のそれと比較解析することで、その理由を明らかにできる可能性がある。しかし、百日咳菌は徐々にクリアランスされていくため、感染一週間後にIVET-IP法で必要な1,000,000 cfuの菌を回収することは難しい。そのため、少量のゲノムライブラリーからcDNAを合成する際に偏りが起こりにくい大幅な増幅過程を新たに加えてマイクロアレイのサンプルを調製する方法を検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は主に、ラットにおける百日咳菌の感染系の検討を行った。麻酔の種類やインジェクションの方法、ラットの週齡など、系構築のための検討項目が複数にわたったため感染実験に時間がかかってしまったが、感染系を確立し、ラット感染の基礎データ(回収できる菌の経時的推移の確認、ラットの全身症状の観察、感染局所の組織病理観察など)を収得することができた。

今後の研究の推進方策

次年度は、本年度の研究成果により決定された感染条件でゲノムライブラリーを導入した百日咳菌をラットに感染させ、実際にIVET-IP法にて遺伝子発現の変化を解析する予定である。

次年度の研究費の使用計画

産休および育児休暇を取ったため研究の進行が遅延してしまい、24年度の研究費に未使用額が生じたが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含めて当初予定していた計画を進めて行く。

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公開日: 2014-07-24  

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