損傷を受けたミトコンドリアや変性タンパク質からなる細胞内凝集体と同様に、細胞内侵入性細菌に付加されたポリユビキチン鎖はオートファジーによって分解・除去すべき異物認識のための目印となる。本研究では、リステリア(Listeria monocytogenes) actA欠損株に対するユビキチン化機構の解明を試みた。LC-MS/MS解析の結果、actA欠損株のユビキチン化に関わる可能性のある3種類のユビキチンリガーゼ(E3)が得られた。actA欠損株感染細胞内におけるこれらE3の局在を観察したところ、菌体のユビキチン化が始まる感染1時間後に1つのE3が菌体周囲に集積していることが分かった。
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