本研究において、多くの病原性グラム陰性菌が保有するIII型分泌装置(TTSS)が、感染した宿主の免疫系、特に獲得免疫をどのように制御しているのかについて検討を行った。TTSSを保有する菌として、腸管病原性大腸菌(EPEC)とマウスに感染するCitrobacter rodentiumを用いて実験を行った。 今回我々は、マウスによるin vivo、および単離した細胞を用いたin vitroの両環境において、これらの菌が宿主の獲得免疫のうち、TTSSを用いて特にTh2分化を誘導していることを明らかにした。また一部のTh2サイトカインは、病原性を亢進させていることも明らかとなった。
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