日和見病原体である緑膿菌は、易感染性宿主に対して難治性を呈する様々な感染症を惹起し、近年では多剤耐性緑膿菌による院内感染が問題である。緑膿菌は、様々な細胞付随形ならびに分泌形の病原性因子を産生する。なかでも5型分泌蛋白質が緑膿菌の病原性に関与するのかは十分に解明されていない。そこで、本研究では、緑膿菌5型分泌蛋白質の一種であるEprSが、病原性因子として機能するのかについて解析を行った。その結果、EprSは、塩基性アミノ酸残基のC末端側を切断する基質特異性を示すセリンプロテアーゼであり、プロテアーゼ活性化受容体を介して炎症応答を誘導することが示唆された。
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