単純ヘルペスウイルスは、神経病原性を司るリン酸化酵素Us3と核酸代謝酵素vdUTPaseをコードする。我々は、Us3がvdUTPase Ser-187をリン酸化し、その酵素活性を制御することで、マウスモデルにおける神経病原性を司ることを解明した。宿主dUTPase活性の強弱と、vdUTPaseS187A変異ウイルスの病原性の強弱は相関した。そして、宿主dUTPaseの過剰発現により、vdUTPaseS187A変異ウイルスの弱毒化が回復した。本結果は、vdUTPaseがUs3によりリン酸化され、中枢神経系におけるdUTPase活性不足を補填し、効率的なウイルス増殖を促進することを示唆している。
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