研究課題
細胞融合と2重分割タンパク質を用いたHIVの細胞指向性決定系(DSP-Pheno)を実験系として確立する事に成功した。HIV感染者の血漿142例を用いてDSP-Phenoを用いて細胞指向性を決定した。これまでのサブタイプBの解析(126例)に加え、サブタイプB以外(16例:サブタイプA、サブタイプC、CRF-01AE)についても増幅プライマーの改良などを行い、Envの増幅および細胞指向性の決定に成功した。また、これまでのゴールドスタンダードとなっている組換えHIVを用いた細胞指向性決定系(シュードウイルスアッセイ)および、臨床現場でも利用が開始されているEnvのV3領域の塩基配列を用いた細胞指向性の予測プログラム(Geno2Pheno)と比較を行った。結果に違いが見られたサンプルについてはクローニングを行い、シークエンスによりEnv遺伝子の全長配列の決定と細胞指向性の測定を行い、違いが見られた原因について検討を行った。特に、HIV感染者の検体を用いた場合に、DSP-PhenoでX4細胞が陽性となったが、シュードウイルスアッセイでX4細胞が陰性となる検体が複数存在したため、クローニングを行った。クローンでも同様の結果となるEnv遺伝子があることが明らかとなった。これらのEnvに関してもAMD3100でX4特異的に阻害がかかることから細胞融合とシュードウイルスによる感染に何らかの違いがある事が示唆された。本研究結果に関して2013年7月にマレーシアで行われた7th IAS conferenceにてポスター発表を、2013年11月に兵庫県で行われた第61回日本ウイルス学会学術集会にて口頭発表を行い、これまでの研究成果は国際誌(Journal of International AIDS Society)に発表した。
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
Journal of the International AIDS Society.
巻: 16 ページ: 18723-18732
10.7448/IAS.16.1.18723.
http://www.idimsut.jp