研究課題/領域番号 |
24790449
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
姫田 敏樹 金沢医科大学, 医学部, 講師 (80340008)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | SAFV / 感染受容体 |
研究概要 |
SAFV感受性細胞(HeLa細胞)からcDNAライブラリーを作製し、発現ベクターを用いて非感受性細胞(BHK-21細胞)に導入することで、SAFV感染受容体を発現する細胞を含む細胞ライブラリーを作製した。この細胞ライブラリーにGFPを発現するSAFVを感染させてGFPの蛍光を観察することで、SAFV感染受容体を発現している細胞を選択し、感染細胞に導入され、かつ、発現しているcDNAを単離した。この単離したcDNAを個別にBHK-21細胞に発現させ、ウイルス感染を検討したが、感受性となる細胞は得られなかった。また、候補因子に対する抗体を用いたブロッキングアッセイによっても受容体を同定するには至らなかった。これは、複数の受容体が存在し、単一受容体の阻害では、ウイルス感染そのものを抑制できないことを示唆していると考えられた。 そこで、新たな探索方法として、HeLa細胞のSAFVへの感受性を変化させる培養方法を探索し、SAFV高感受性(HeLa-RF)細胞およびSAFV低感受性(HeLa-R)細胞を見出すことに成功した。さらにこの違いは、感染受容体発現密度が変化して起こっていることを証明し報告した(PLoS ONE 8(1): e53194)。 このようにSAFVに対する感受性は異なるが起源は同じこれら細胞を用いて、DNAマイクロアレイにより遺伝子発現の差異を解析し、SAFV感染受容体の候補因子を含むと考えられる遺伝子群を抽出した。現在、これらの因子群について、個別解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画で抽出した候補遺伝子群からは、感染受容体を同定することは出来なかったが、新たな探索方法を見出し、現在スクリーニング中である。 このSAFV感染受容体発現密度を変化させ、感受性を変化させる培養方法は既に英文雑誌に掲載済みである(PLoS ONE 8(1): e53194)。
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今後の研究の推進方策 |
新たに開発し報告したSAFV感染に対する感受性を変化させる方法を最大限利用して、受容体候補遺伝子群を抽出した。ただし候補因子は数十~数百と多数のため、iPS細胞作出の過程に倣い、全遺伝子の導入から始め徐々に導入する遺伝子を減らしていくことで、最終的に感染受容体の発現に重要な遺伝子群を同定する予定である。最終的には、受容体遺伝子そのものの同定を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
細胞培養およびトランスフェクションに関連する試薬などの購入費に充てる。
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