研究課題
研究初年度、SAFV感受性HeLa細胞から作製したcDNAライブラリーを、SAFV非感受性BHK-21細胞に導入し、SAFV感受性を獲得したと考えられるSAFV感受性BHK細胞を複数個単離し、導入された遺伝子をPCRにより特定したが、個別のサブクローニングによる再現は出来なかった。1細胞あたりに複数の遺伝子が導入されるため、目的の遺伝子をクローニングできなかったことが原因であると考えられた。最終年度は、新たな方法としてHeLa細胞のSAFVに対する感受性を変化させる培養方法を探索し、さらに、SAFV高感受性HeLa細胞とSAFV低感受性HeLa細胞の間ではSAFVの細胞表面への結合量に顕著な違いがみられることを明らかにした(PLoS ONE 8(1):e53194)。この細胞間における遺伝子発現の違いを、DNAマイクロアレイにより解析し、発現量に2倍以上の違いが見られ、かつ、膜タンパクと考えられる分子群(58遺伝子)を同定した。現在、これらの遺伝子をSAFV非感受性細胞(BHK-21)に導入して受容体遺伝子の同定を試みているが、同定には至っていない。目的遺伝子の発現量の差が2倍以下である場合、さらに、発現後の修飾等に違いがある場合は、この方法でも同定は困難かもしれない。そこで、ポリオウイルスおよびエンテロウイルスの感染受容体同定に成功しているピコルナウイルス感染受容体同定の世界的権威、小池智先生(東京都医学総合研究所)に助言を仰ぎ、cDNAからのアプローチでは、プロモーターの違いによる発現の不確実さや、完全長cDNA作製の困難さなどが問題となりやすいとの指摘を頂き、現在、助言を基にgenomic DNAからのスクリーニングを並行して実施しているところである。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
J. Clinic. Exp. Neuroimmunol.
巻: Article first published online ページ: -
10.1111/cen3.12109
巻: 4 ページ: 163-164
10.1111/cen3.12033
PLoS One.
巻: 8 ページ: e53194
10.1371/journal.pone.0053194
小児感染免疫
巻: 25 ページ: 446-451