KOマウスのバックグラウンドであるC57BL/6マウスを用いて、ウエストナイルウイルスよりも取扱いが簡便な日本脳炎ウイルスをまず感染させ、免疫学的病態解明を行った。JaOArS982株の感染実験は感染後10日の体重変化から予後判定(死亡群と生存群)が可能である。両群間の免疫学的性状を比較したところ、死亡群では生存群よりもTh1タイプサイトカイン、細胞障害性因子の有意な増加が認められた。一方、Treg関連遺伝子の発現は生存群において増加した。T細胞受容体レベルでの解析では、脳内で死亡群と生存群で異なるT細胞クローンが存在した。質的に異なるT細胞が脳内に浸潤・増殖していることが示唆された。
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