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2013 年度 実績報告書

肺を起点としたアレルギー疾患発症機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24790484
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

松下 一史  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20581549)

キーワードアレルギー・ぜんそく / IgE産生 / MyD88 / B細胞
研究概要

肺を起点とした抗原の曝露によるTh2応答の誘導は抗原特異的なIgE産生を誘導し、アレルギー性喘息をはじめとした重篤なI型アレルギー疾患を引き起こす。しかし、アレルギー性応答において、実際に生体内ではどのようにIgE産生が誘導されるのかについては未だ完全には明らかにされていない。
今回、我々はMyD88欠損マウスの肺にブタクサ花粉を曝露させた結果、MyD88欠損マウスでは血清中のブタクサ花粉特異的および非特異的IgE産生が著しく障害されていることを見いだした。一方、肺へのブタクサ花粉の曝露によって誘導される肺門リンパ節へのDCの遊走はMyD88欠損マウスでも野生型と同様に認められ、またブタクサ抗原特異的なTh2細胞の誘導も正常であった。B細胞におけるMyD88の役割を検討する目的で、骨髄キメラの系を用いてB細胞特異的にMyD88を欠損したマウスを作製し同様の花粉曝露実験をおこなった。その結果、B細胞特異的にMyD88を欠損したマウスでは血清中のブタクサ花粉特異的および非特異的IgE抗体濃度が著しく減少していた。
次に、肺への抗原曝露によって誘導されるIgE産生に必須であるB細胞MyD88シグナルを惹起するリガンドを探索する目的で、TLR2/4/9重欠損マウスを用いて検討した。その結果、肺へのブタクサ花粉曝露によるIgE産生の誘導にこれらのTLRは必要でないことが明らかとなった。一方、抗IL-1R1抗体を投与したマウスならびにIL-18欠損マウスでは肺へのブタクサ花粉曝露によるIgEおよびIgG1抗体産生の誘導が障害されていた。
以上の結果から、肺への花粉抗原の曝露はIL-1ファミリーサイトカインの産生を誘導し、B細胞特異的なMyD88シグナル伝達を活性化することによって抗原特異的IgEならびにIgG1産生が誘導されると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Pathogenic Th2-type follicular helper T cells contribute to the development of lupus in Fas-deficient mice.2014

    • 著者名/発表者名
      Futatsugi-Yumikura S*, Matsushita K*, Fukuoka A, Takahashi S, Yamamoto N, Yonehara S, Nakanishi K, Yoshimoto T. (*equal contribution)
    • 雑誌名

      International Immunology

      巻: 26 ページ: 221-231

    • DOI

      10.1093/intimm/dxt070.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 顆粒球のアレルギー疾患におけるあらたな役割2013

    • 著者名/発表者名
      松下一史、善本知広
    • 雑誌名

      実験医学増刊号

      巻: 31 ページ: 73-79

  • [雑誌論文] Malt1-Induced Cleavage of Regnase-1 in CD4+ Helper T Cells Regulates Immune Activation.2013

    • 著者名/発表者名
      2. Uehata T, Iwasaki H, Vandenbon A, Matsushita K, Hernandez-Cuellar E, Kuniyoshi K, Satoh T, Mino T, Suzuki Y, Standley DM, Tsujimura T, Rakugi H, Isaka Y, Takeuchi O, Akira S.
    • 雑誌名

      Cell.

      巻: 153 ページ: 1036-1049

    • DOI

      10.1016/j.cell.2013.04.034.

    • 査読あり
  • [学会発表] Pathogenic Th2-type follicular helper T cells contribute to the development of lupus in Fas-deficient mice.2013

    • 著者名/発表者名
      Futatsugi-Yumikura S, Matsushita K, Fukuoka A, Takahashi S, Yamamoto N, Yonehara S, Nakanishi K, Yoshimoto T.
    • 学会等名
      第42回日本免疫学会学術集会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      20131211-20131213
  • [学会発表] BALB/c背景Fas-/-マウスで活性化された濾胞性ヘルパーT細胞はアレルギー疾患と自己免疫疾患を増悪させる.2013

    • 著者名/発表者名
      弓倉静英、高橋涼香、松下一史、福岡あゆみ、米原伸、中西憲司、善本知広.
    • 学会等名
      第63回日本アレルギー学会秋季学術大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20131128-20131130
  • [図書] Cytokine Frontiers: Regulation of Immune Responses in Health and Disease.2014

    • 著者名/発表者名
      Matsushita K, Yoshimoto T.
    • 総ページ数
      267-299
    • 出版者
      Springer

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公開日: 2015-05-28  

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