研究課題/領域番号 |
24790494
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
谷川 琢海 旭川医科大学, 医学部, 講師 (40446539)
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キーワード | 医療情報学 / 地域医療学 / 地図情報システム |
研究概要 |
本研究では北海道における冬季の患者受療行動モデルを構築することを目的としている。夏季と冬季では積雪や路面状況により道路事象が大きく異なるため、冬季における患者の移動負担の増加をシミュレーションによって明らかにすることを試みる。 平成25年度は札幌医療圏と上川中部医療圏において、400床以上の中核医療機関を受診する場合の移動時間を人口集中地区と郊外地区の距離抵抗をコスト係数としてそれぞれ変化させてシミュレーション分析を行なった。中核医療機関への時間ごとの到達圏と圏域の人口カバー率を評価した結果、人口カバー率は人口集中地区のコスト係数の増加に大きく影響を受けて、医療機関の近くに居住する住民ほど影響を受けやすい傾向が見られた。また、上川中部医療圏は札幌医療圏に比べて人口集中地区のコスト係数の影響を受けずらい傾向が見られた。これまでの成果について第33回医療情報学連合大会(神戸)にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は距離抵抗の観点からシミュレーション分析をすすめ、学会発表も行っており、おおむね順調に進展していると考えている。ただし、北海道旭川市における夏季と冬季の交通特性について調査した道路交通データを購入する予定であったが、当該地域におけるサンプル数が少ないことが想定されるため今年度の購入を見送り、予定していた研究費の執行ができなかった。実際の交通特性に基づいた道路交通データに基づく解析がやや遅れている状況にあるが、現在サンプル数が比較的多い地域および範囲を調査しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果および購入予定の道路交通データをもとに疾患別の患者受療行動モデルのパラメータを導出を行う予定である。 また、患者受療行動モデルの妥当性の評価を行ったうえで、成果を論文としてまとめる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は北海道旭川市周辺の道路交通プローブデータを購入する予定であったが、プローブデータに含まれるデータが非常に少ない可能性があったため、今年度の購入を見送った。札幌市などを含む、他の地域の道路交通プローブデータの調査等に時間を要したため、研究費を予定通り執行できなかった。 次年度は対象地域・範囲を確定して道路交通プローブデータ等の購入を行い、夏季と冬季の交通状況の差異をGISにて評価する予定である。
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