本研究の目的は,皮膚や筋の放射線障害に対してリハビリテーション(トレッドミル走行)がどのような影響を及ぼすか明らかにすることである。方法として,ラット後肢の放射線障害モデルを作製し,運動負荷実施の有無で群分けし,機能ならびに組織の解析を行った。その結果,放射線を照射された筋においても運動負荷により筋委縮の抑制効果が認められた。しかし皮膚においては血流障害を伴う変性が増悪しており,運動負荷は逆効果になることが示唆された。以上のことから,放射線障害の重症度や対象部位,病期に応じたリハビリテーション介入を選択する必要性が考えられた。
|