本研究は、医療現場での専門職連携実践能力開発に向けた環境形成、研修、教育の改善に資する知見を獲得することを目的とした。学習・教育理論研究を整理し、救急救命士の経験と能力の関係性の解明を目的に質問紙調査を実施した。キャリア10年目までは、病院実習が救命活動スキルを、他分野専門職との連携がマネジメントスキルを、部下・後輩指導と他地域職員との関わりが両スキルを高めていた。11年目以降では、医師との関わりが救命活動ノンテクニカルスキルを、他分野連携、激甚災害活動がマネジメントスキルを高めていた。他職種との関わりは上記両スキルを同時に高めており、現場での連携が能力開発に重要であることを明らかにした。
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