研究概要 |
本研究は、イギリスにおいて現代医学教育改革を牽引してきた民間機関「英国医事委員会(General Medical Council、以下GMCとする)」に着目し、①教育改革組織としてどのような役割や特徴をもつのか、②医学部における教育実践レベルでの改革をどのように実現しているのか、③GMCによる教育質保証の現状と課題はどのように評価することができ、④日本の医学教育の現状に対する具体的示唆とは何か、を明らかにすることを目的としている。 初年度は、特に①及び③に焦点化した調査・研究を実施した。二年目にあたる平成25年度は、特に②の点に焦点化した調査を行った。具体的には、a)教育質保証プロセスにおける医学生の活用、b) 入試改革の実際、c)医学教育改革に着手された1970年代から現在に至るまでの成人教育概念「自己主導型学習(Self-Directed Learning)」の需要・普及過程とその実際を、小テーマとして設定し、調査・研究作業を行った。イギリス調査は、2013年8月と2013年9月の二回、実施した。これらの調査では、Queen Mary CollegeやSt George's, KIng's Collegeなどのロンドン市内の医学校に加えて、University of Aberdeen, Hull & York Medical School, Cardiff University Medical Schoolなどを視察した。また、これらの研究成果については、学会等を通して積極的に発表した。
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