研究課題
若手研究(B)
(1) 標準医療情報モデルの作成疾患、処方・注射情報、患者情報、検査値等についてarchetypeでのモデリングを検討した。結果、既に利用されているHL7メッセージから直接vMRに変換し、現状の標準的HL7メッセージで記述されていない患者基本情報・疾患関連情報に限定してarchetypeのモデルから変換する方が合理的であると判断した。現状では、HL7メッセージをSS-MIXストレージか電子カルテから抽出する方法について検討している。臨床判断支援には、半リアルタイムでのメッセージ取得が必要であるが、電子カルテシステムへの負担を掛けないように配慮する必要がある。代表研究者が所属している愛媛大学附属病院の次期医療情報システムの構想の中に、部問システム間で遣り取りするHL7メッセージをキャプチャーし、臨床判断支援システムに取り込む仕組みを取り入れるように仕様検討を行った。(2)archetype からの vMR の変換ツールの開発本研究での臨床判断支援システムを稼働させるopenCDSが要求しているvMRの記述に合致するように、分析中であり、次年度以降に継続して取り組む。
2: おおむね順調に進展している
医療情報部副部長を兼任しており、2014年5月更新予定の愛媛大学医学部病院情報システムの要求要件定義・仕様作成のプロジェクトに従事したため、一部の目標の達成が遅れている。具体的には、平成24年度の目標として設定した「(2)archetype からの vMR の変換ツールの開発」が遅れているので、次年度の可能な限り早い時期に完了させて遅れを取り戻す予定である。
(1) 臨床判断支援アルゴリズムを本邦の医療情報に適用させるためのオントロジマッピング -- openCDSにおける臨床判断のルール記述における対象指定はUMLSのconcept IDで行われている。我が国ではICD10やMEDIS標準マスタがあり、UMLSの概念IDとのマッピングの試みはされているが、その成果が公開されていない。そこで、Aperon社のTerminology Agentに、今回の検証を行う範囲において、部分的なマッピングテーブルを作成する予定である。(2) 標準医療マスタ群と archetype の各ノードにバインディングするオントロジ連携ツールの試作 -- 当初の予定では、archetype 群で構成された template を電子カルテ上の入力画面に展開するときに、arhcetype の各ノードに対応した入力項目ごとに、先述の概念 ID との紐付けに基づいて適切な標準医療情報マス タとデータセットから入力値の制約、検証を行う予定であった。しかしながら、templateを画面に展開するための実装の開発が遅れている(代表研究者とは別研究者によって開発中)ため、電子カルテの入力画面を模することは諦めて、電子カルテから抽出してarchetypeに変換したものに限定して、標準医療マスタに変換したりチェックを行うことを検証する内容に範囲を縮小する。(3) 臨床判断支援アルゴリズムの適用可能性の検証 -- 代表研究者が所属する大学病院の病院情報システムから医療情報を抽出し、 archetype に格納する。さらに前年度に開発した archetype から vMR への変換機構を通して、臨床判断支援アルゴリズムに付与 し、適切な判断処理が実行されるかを検証する。
次年度で電子カルテ連携用サーバ導入を予定しているが、次期医療情報システムの更新時期と重なっていることから、導入時期を調整中である。2014年春季米国医療情報学会での発表を予定している。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件)
Data Science Journal.
巻: advpub ページ: 1-7
http://isds.nict.go.jp/wds-kyoto-2011.org/pdf/IS601.pdf
AMIA
巻: Annu Symp Proc 2012 ページ: 1817
第16回日本医療情報学会
巻: 春季学術大会シンポジウム ページ: 180-181