研究課題/領域番号 |
24790509
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 北海道情報大学 |
研究代表者 |
大場 久照 北海道情報大学, 経営情報学部, 准教授 (50419222)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 医療計画 / 政策評価 / 行政マネジメント / 地域医療 |
研究概要 |
1.北海道医療計画における二次医療圏の圏域評価 北海道における二次医療圏の圏域の妥当性を検証するために、市町村別の通勤・通学動向、購買動向および入院・外来別受療動向を分析した。平成17年3月時点の北海道212全市町村を対象として、「平成17年5月診療分国保患者受療動向」、「平成17年国勢調査による常住地・就業地統計」および「平成21年度北海道広域商圏動向」のデータを用いた。受療動向と通勤通学動向の指標には移動選好指数(MPI)を、購買動向の指標には流出購買率を用い、地域センター病院を有する都市を中心としたクラスター分析を行った。その結果、宗谷圏域の中頓別町、十勝圏域の陸別町、上川北部圏域の和寒町、南空知圏域の南幌町・長沼町、北空知圏域の幌加内町、留萌圏域の天塩町・幌延町、札幌圏域の新篠津村、日高圏域の平取町、北網圏域の西興部村の8圏域・11市町村で現行の二次医療圏と生活圏の間に不一致が生じていることが明らかとなった。 2.北海道における精神疾患患者の受療動向 北海道における精神疾患患者の通院及び入院に関わる受療動向の経年変化を明らかにし、北海道の地域医療政策の基礎資料とすることを目的とする。対象とした精神疾患は患者数の多いうつ病と統合失調症とした。データには北海道が医療計画で用いた国保患者受療データとした。平成12年と平成17年の入院・通院別および疾患別の二次医療圏間の受療動向を移動率を用いて比較した。平成12年と平成17年の5年間での推移については、流出率、自圏域での医療自足率とも変化は見られなかった。精神疾患全体の全入院患者の受療動向は、平成20年の北海道医療計画における全診療科の入院患者の受療動向と類似した傾向を示した。うつ病では遠距離へ受診する傾向が見られ、統合失調症では二次医療圏平均の入院自足率が60%と低く、精神病床数の多い圏域に流出傾向の強いことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過去の医療計画で用いた受療動向データを活用し、現在の二次医療圏の圏域検証と近年患者数の多い精神疾患患者の受療動向の5年推移を評価したことで、医療計画の実効性を検証するための基礎資料を得たため。
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今後の研究の推進方策 |
研究推進方策として、次年度では早期にテキストマイニングの研修会に参加し、医療計画文書におけるテキストマイニングの分析・解釈に対する精度を高める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
統計解析とテキストマイニングのソフトウェア購入費用が予定していた額より低かったこと、学会への出席が予定より1回少なかったことが研究費に差額を生じさせたが、次年度では国内外での学会での研究成果発表と情報収集に加え、テキストマイニングの研修費用として活用する予定である。
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