研究課題/領域番号 |
24790509
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研究機関 | 北海道情報大学 |
研究代表者 |
大場 久照 北海道情報大学, 医療情報学部, 准教授 (50419222)
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キーワード | 医療計画 / 政策評価 / 行政マネジメント / 地域医療 |
研究概要 |
本研究では,テキストマイニングソフトウェアText Mining Studio Ver.4.2(NTTデータ数理システム社製)を用いて,北海道医療計画の2008年版と2013年版の文章構造を解析し,地域性および実効性について評価した。抽出対象の用語は,北海道の地域性に関わる用語(市町村名,二次医療圏名)と医療計画の実効性に関わる用語(PDCAサイクル,マネジメント)とした。 分析方法は原文と照らし合わせながら,属性ごとの特徴的な用語を抽出する特徴語分析と,文章全体の構造を見ることばネットワーク分析を行った。 (1)地域性の評価 13年版の第3章第3節「脳卒中」を対象に特徴語分析を行った結果,服薬指導やリハビリといった脳卒中の予防・予後に関連する用語は抽出できたが,北海道の地域性に関わる用語は抽出されなかった。さらに,ことばネットワークによる分析を行った結果,13年版では08年版に比べ全体のクラスタ数は増加し,糖尿病や脂質異常症などの用語も増え,クラスタ内の構造が複雑化していたが,北海道の地域性に関わる用語は出現していなかった。文章中に地域性に関わる用語は見られず,13年版では北海道の地域性を盛り込んだ内容に変更されていないことが示唆される。 (2)実効性の評価 13年版の第7章「計画の推進と評価」を対象に特徴語分析を行った結果,13年版では在宅医療や5疾病といった新しい医療計画策定指針に関連した用語が抽出され,08年版と比べて指標値の高い用語が多く出現したが,施策評価やPDCAサイクルなど計画の実効性に関わる用語は抽出できなかった。また,ことばネットワークを用いた分析結果では,全体のクラスタ数は変化しておらず,クラスタ内で使用されている用語は08年版と変わらなかった。この結果から,08年版と比べ第7章が計画の実効性を考慮した内容に変更されていないことが示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
北海道医療計画の平成20年版と平成25年版の文章構造解析を終了し,問題点を概ね抽出できたため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は他都府県の医療計画の文章構造を解析し,平成25年版北海道医療計画との比較検証を進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
購入したテキストマイニングソフトウェアが予定していた金額より安く購入できたため。 購入したテキストマイニングソフトウェアをWindows 8に対応させるためのバージョンアップ費用と,国内学会での研究発表を増やす予定である。
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