本研究では,住民視点からみた医療計画の策定・運用体制の検証に加え,住民視点の医療計画評価のためのロジックモデルを構築した。その結果,①北海道では8圏域で二次医療圏と生活圏との不一致が未解消であり,2000年と2005年での精神疾患患者の受療動向にも変化がない,②北海道・東北の医療計画では北海道と秋田県で専門用語の出現回数が多く,使用割合の多い専門用語に解説の記載がない,③住民を策定メンバーにしている自治体の割合が少数で,住民視点のわかりやすい文章の作成,情報公表方法の問題など医療計画マネジメント体制の問題を示唆する。ロジックモデルの構築によりPDCAサイクルの実効性が高まることが期待される。
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