研究課題/領域番号 |
24790510
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
長山 洋史 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (00552697)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 作業療法 / 費用効果分析 / 費用効用分析 / 無作為化比較試験 |
研究概要 |
平成24年度は、本研究におけるパイロットスタディとして、神奈川県内の老人保健施設において、作業に焦点を当てた作業療法の効果をシングルケースで行った。本年度の成果としては2点挙げられる。1点目は、老人保健施設で実施可能な作業に焦点を当てた介入方法を検討できたことである。従来、老人保健施設では、機能訓練を重視する傾向が高く、作業に焦点を当てた介入の実施可能な方法を模索することが最重要課題であった。ADOCを用いることで対象者からのニーズを聞き出すことができ、作業に焦点を当てた介入へとつなげることができたケースを経験した。また、そのためには、リハの介入時間だけでなく、介護職を含めたチームでの介入が重要であることが示唆された。2点目は、介入の効果判定であるoutcomeを検討し、作業に焦点を当てた作業療法の効果判定としてHRQOLの評価法であるSF-36を用いることが最も適していると検証できたことである。また、費用効果についての検証を行うための方法について、SF-36から算出された結果からSF-6Dのアルゴリズムを利用し、効用値を算出する予定である。効用値から、QALYを算出し、1QALYあたりの増分費用効果費を算出し、介入群との比較を行う予定である。特に老人保健施設の入所者に対しては、費用の項目について専門家と議論しているところである。これらの成果を元に、来年度は、老人保健施設18施設の協力を経て、Randomized control trial を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、本研究におけるパイロットスタディとして、神奈川県内の老人保健施設において、作業に焦点を当てた作業療法の効果をシングルケースで行った。また、全国の施設に対してインターネットを利用し、リクルート活動を行った。また、沖縄県で研究説明会を行った。現在のところ参加施設は18施設であり、現在は研究施行に向けて準備を行なっているところである。概ね順調に進展しているが、費用の算出においてどこまで算出するかについて今後も議論が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、プロトコールに従い、研究施設のランドマイズド化(7月予定)、介入施設に対する研究説明会の実施(8月、9月を予定)などを行う。また、各施設へのiPadの配布などを行い、介入方法を再度検討していく。本年度は、実際の研究がスタートするため、各施設との連絡を密にして行なっていく必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記計画に従い、全国の研究協力者に対しての説明会を実施する予定であるため、会議費にかかる交通費、宿泊費などが必要となる。また、必要に応じて謝礼としての費用も必要となる。また、iPadを配布する必要があり、その経費が必要となる予定である。
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