本研究では、わが国の生命倫理教育の文献検討、アジア地域でのヒアリングをふまえ、看護学士課程の生命倫理・看護倫理のシラバス調査、看護倫理科目に関する全国調査、看護学生への実習で遭遇する倫理的問題に関する調査、実習倫理教育に関する全国調査を実施した。看護系大学の約半数が生命倫理科目を有し、看護倫理科目は4割程度であった。看護倫理担当者は教育へ困難感を有していた。看護学生が実習で遭遇する倫理問題は、看護職による患者への行為と教員による学生への行為に分けられ、学生は様々な倫理問題に悩んでいた。一方教員も学生から実習倫理に関する相談を受け、座学と実習での倫理教育有機的連携が重要であった。
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