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2014 年度 実績報告書

日本におけるプライマリ・ケア質評価指標の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24790515
研究機関浜松医科大学

研究代表者

井上 真智子  浜松医科大学, 医学部, 教授 (80609090)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードプライマリーケア / 医療の質評価 / 患者体験 / 医療政策
研究実績の概要

高齢者の増加、多剤投薬、多診療科受診が課題となる日本では、プライマリ・ケアの質評価は医療政策上の課題検討および診療の質改善活動を促進する上で重要である。しかし、これまで医療の質評価は病院医療を中心として実施されており、プライマリ・ケアではその評価尺度がないために実施されてこなかった。中でも患者経験評価は医療の患者中心性の観点から重要視されている。
本研究ではまず諸外国におけるプライマリ・ケア質評価指標に関するレビューを行った。複数の尺度を比較し、日本で求められる要素をふまえたところ、米国Johns Hopkins大学にて開発され、世界家庭医学会WONCAアジア太平洋地域部会において使用が推奨されているPrimary Care Assessment Tool(PCAT)が最適であると判断された。日本語訳を作成し、プライマリ・ケア専門家間のデルファイ法により診療の「包括性」に関する項目検討を行った。質問表現の文化的適切さを、患者団体の協力により検討した。
次に、40-75歳の住民1100名を対象にパイロット調査を行い、計量心理学的特性の検証を行った。回答のあった402名(36.5%)のうち、プライマリ・ケア医(主治医)を有していた者は204名(50.7%)であった。因子分析によりPCATと同じ5因子構造(近接性、継続性、協調性、包括性、地域志向性)が確認された。信頼性係数は0.90と十分高く、総スコアは診療への患者満足度とは高い相関を示した(Spearman相関係数0.59, p<0.01)。
最終的に29項目からなる日本版プライマリ・ケア質評価尺度(JPCAT)を開発した。今後、これを公開し、患者経験としてのプライマリ・ケアの質とその関連要因、また健康アウトカムとの関連の検討、診療所における自己評価と質向上の取り組み、医療政策介入の効果検証などの場面での活用推進を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] プライマリ・ケアの質評価尺度に関する文献検討2014

    • 著者名/発表者名
      青木拓也, 井上真智子
    • 学会等名
      第5回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター
    • 年月日
      2014-05-10 – 2014-05-11

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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