非正規雇用の健康問題に対する効果的な政策を考えるために、非正規雇用の健康影響に関するエビデンスを構築する必要がある。第1に、非正規雇用の健康影響を検討するために、全国規模の公的データを用いた4年間のコホート研究を実施した。その結果、男性非正規雇用者は男性正規雇用者と比べ、約2倍うつ・不安障害の発症リスクが高いことが明らかとなった。第2に、過去20年間に非正規雇用の増加が健康格差の増減に影響を与えたかどうかを検討するために、全国規模の公的データを用いた反復横断研究を実施した。その結果、非正規雇用の増加は健康格差の増減にほとんど影響を及ぼさなかったことが明らかとなった。
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