研究課題/領域番号 |
24790519
|
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
奥津 康祐 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (50596327)
|
キーワード | 地域医療 / eラーニング / 医療安全 / 新人看護師教育 |
研究概要 |
【1】コンテンツの配布および整備i)昨年度に作成し、CD-Rにて、安全知財バンクおよびそれを利用した医療従事者教育システムに関し、昨年度、山梨医療安全研究会に依頼して募集がされた参加施設に配布を行い、その対象施設の新人看護師が実施したコンテンツ合計20について、改めて内容を見直し、適宜修正を加えた。ii)それをCD-Rに収め、上記施設および新規参加施設に配布した。iii)上記参加施設から新たにコンテンツの材料(主にPowerPointファイル)を募集し、それをもとに新たに12個のコンテンツを製作した。iv)その12個のコンテンツも、2回に分け、CD-Rに収め上記施設に配布した。 【2】コンテンツ制作協力者に謝金を支出した。 【3】医療安全知財バンクを利用した教育方法の改良についての検討:山梨医療安全研究会や、上記参加施設教育担当者等と打ち合わせの上、行った。新人看護師に使用してもらうため、施設の担当者やプリセプターが果たす役割、知識確認のための試験方法などを決定した。 【4】その他:上記のコンテンツすべてを修了した新人に対し、修了証を発行した。 本取り組みに関して、平成25年11月23日に東京都江東区で開催された第8回 医療の質・安全学会学術集会にて、「新人看護師教育のための医療安全eラーニング教材開発プロジェクト(OQT9)」という演題名で講演発表をした。さらに、平成26年3月1日に甲府市で開催された山梨医療安全研究会第9回大会で発表をした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新人看護師向けの医療安全教育のeラーニングコンテンツが累計30強作成され、医療安全知財バンクおよびそれを利用した医療従事者教育システムでの参加施設で実際に利用されることとなった。新人看護師教育全般を鑑みると、現在の平均的コンテンツサイズで合計100ほど必要になると見込まれる。コンテンツ制作のプラットフォームが昨年よりも専念された形で構築されつつあり、また、コンテンツ材料の製作は、コンテンツ製作者、制作協力者とも経験を積むごとに短時間で学習効果の高いものが作れるようになってきている。以上を総合的に評価すると、コンテンツ制作に関する現在までの達成度は60%程である。ただし、ハード面がまだ整備しきれておらず、インターネットの利用は少なく、CD-Rメディアを使用した範囲にとどまっている。また、参加施設を徐々に拡大し、利用者を増加していくためには、コンテンツの数の増加のみならず本システムの活用実績の情宣も必要と思われ、それには一定の時間が必要となる。そして、教育評価測定のためのヒアリング調査はまだおこなえていない。こういった点までも含めると、本研究の達成度は50%程である。
|
今後の研究の推進方策 |
【1】、コンテンツ整備の継続:引き続きコンテンツを製作するべく、コンテンツ材料を募集し、コンテンツを製作していく。平成25年度に実施したコンテンツ製作者となる人材へのコンテンツ制作研修会の成果を踏まえ、より質の高いコンテンツの製作に取り組む。 【2】、利用状況に関するインタビュー調査:医療安全知財バンクがどの場面でどの程度利用されているのか、各施設の教育担当者1名ずつを対象としたインタビュー調査を行う。【3】、コンテンツや教育方法の見直し:前記アンケートや文献をもとに、よりよい教育方法やコンテンツのユーザーインターフェイス等を探索し、コンテンツを改良していく。【4】、同システムの効果に関するアンケート調査:医療安全教育としてどの程度効果があったのか、教育担当者及び利用者の業務負担の軽減につながったかどうか、教育担当者(各施設1名)および全利用者(150名ほどを想定)へのアンケート調査を行う。【5】、調査結果を統計解析する。 研究成果は、千葉市で11月22~23日に開催予定の医療の質・安全学会第9回学術集会、平成27年2月に山梨県で開催予定の山梨医療安全研究会第10回大会で発表する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
新規パーソナルコンピュータ等を使用して行う調査が翌年にずれ込んだため。ただし、たの作業を先行して行っているので、全体としてみると計画自体は順調である。 作業用パーソナルコンピュータ等の購入。
|