現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
近年死亡者数が増加している乳がん(ICD-10:C50)・子宮頸がん(同C53)・前立腺がん(同C61)の各がんについてCOIを算出した。2008年のCOIは、乳がん6,520億円、子宮頸がん1,455億円、前立腺がん2,759億円と推計された。将来推計の結果、乳がんのCOI推計額は、もっとも妥当と考えられる混合型で7,130億円、7,430億円であった(それぞれ2014年、2020年の推計額。以下同様)。子宮頸がんのCOI推計額は、混合型で1,487億円、1,485億円であった。前立腺がんのCOI推計額は、混合型で4,826億円、5,485億円であった。COIの構成別にみると、乳がん、子宮頸がんでは死亡費用が、前立腺がんでは直接費用がそれぞれCOIの大部分を占めていた。乳がんの罹患率は30歳代から増加し、50歳前後がピークとなっている。また、50歳~60歳代の死亡数増加に伴う死亡費用の増加が見込まれ、COIの緩やかな増加が見込まれた。子宮頸がんでは30~40歳代と80歳以上の高齢者の死亡数増加が見込まれ、COIは微減あるいは横ばいに推移すると推計された。前立腺がんは、65歳以上人口の増加に伴いCOIの増加傾向も続くと見込まれた。なお平均死亡年齢は、乳がんと前立腺がんは今後も上昇、子宮頸がんは横ばいで推移すると推計された。 死亡費用の将来推計に影響を与える要因の一つに、年齢階級別死亡数の動向が挙げられる。若年の死亡者が増加しているがんでは、COIの増加が見込まれた。年齢階級別死亡数の動向は、がんによって異なっていた。また、死亡者に占める高齢者割合の増加は、死亡費用減少の要因となり、その傾向もがんによって異なっていた。 前立腺がんについては、2017年のCOI将来推計値を追加算出したうえで研究成果をとりまとめ学術誌に投稿したが、査読中であり掲載が予定よりも遅れている。
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