研究概要 |
腕神経叢麻痺における各治療法 (1) 遊離機能筋移植2回(土井法), (2) 遊離機能筋移植1回, (3) 上肢切断+肩関節固定, (4) 治療なし)におけるそれぞれのutilityを計算し、治療アウトカムを比較する研究をおこなった。最終的には医者・患者が治療法を選択する際の根拠を明確にすること(=decision making)を目的としている。 本研究における第1段階として、腕神経叢麻痺治療の予後に関するevidence levelの高い論文を適切に収集することが求められた。そのためには、evidence levelの高い論文の検索法、さらに内・外的妥当性の評価法を習得することが求められ、そのアプローチ法を学び、学んだことを論文としてまとめた(Ono S, Sebastin SJ, Chung KC.Evidence on prognosis.Plast Reconstr Surg 2013 ;131:655-65.)。この行程を通して、腕神経叢麻痺の治療介入後の予後に関するevidence levelの高い論文をすべて収集し、systematic reviewをおこなった。 第2段階として、実際の研究は、ミシガン大学形成外科 Kevin Chung教授の研究グループと共同でおこなった。各治療法によるutility(全くの健康を1、死亡を0と設定)を評価するために学生を対象にアンケートを作成し、データを収集した。現在、ミシガン大学の統計家に介入してもらい、各治療法のQuality-adjusted life years (QALYs)を計算している段階である。各治療法のQALYsが計算された段階で第2段階の論文を作成する予定である。 研究は現在も進行中である。
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