機能性ディスペプシア (FD) はストレスに起因する胃腸機能障害であり、この病因の1つに胃運動低下が知られている。我々は本研究課題により、ワサビ辛味成分アリルイソチオシアネート(AITC)がラット胃粘膜バリアの崩壊作用およびラット胃粘膜血管透過性の亢進など炎症惹起作用を有することを見出した。さらに、FD症状を反映した病態モデル動物開発への第一歩としてAITC処置マウスは胃運動を減弱し、そのような異常は既存の胃腸運動改善薬およびFD治療薬により回復すること明らかにした。以上より、我々はAITCを用いヒトFD症状の1要因である胃運動減弱を示す病態モデル動物を開発することができた。
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