研究課題
研究代表者らは、平成24~26年度の文科省科学研究費助成により汎Apolipoprotein E(ApoE)抗体による免疫沈降(IP; ImmunoPrecipitation)と質量分析(MS; Mass Spectrometry)との組み合わせ(いわゆるImmuno-MS)で血清ApoEのほぼ全長がリシーケンス可能であり、従来のジェノタイピングと同等の情報が得られるDNA-freeなセロタイピングに応用できることを示した(PLoS One. 2014 Jan 14;9(1):e85356)。ここで行っているIPは、保険収載もされているApoE定量検査に用いられている国内企業製の臨床検査試薬を、バッファーなど関連試薬も含めそのまま転用したものである。つまり臨床検査試薬に質量分析を検出系として組み合わせ、Immuno-MSとすることで単に血中ApoE定量を行うイムノアッセイであった試薬にアイソフォーム・タイピングを行う機能を付加できた。ApoEにはE2,E3,E4の3つのアイソフォーム・タンパク質が存在するが、ApoE2はIII型家族性脂質異常症の原因と目され、またApoE4はアルツハイマー型認知症の強力なリスクファクターと認識されている。よって、アイソフォーム・タイピングを行う機能を付加することはApoE定量イムノアッセイに、従来のジェノタイピングと同等の情報が得られるDNA-freeな、これら疾患の遺伝学的な診断を行う能力を付加することとなった(Expert Rev Proteomics. 2014 Aug;11(4):405-7)。「血中タンパク質・ペプチドリストよりの疾患マーカー探索」としてApoEという実例を用いて、マーカーの質量分析により得られる情報の多様な事を示す事が出来た。
このURLは研究者が作成したものではなく、世界的な分析機器メーカーであるThermo Scientific社が後援し作成しているプロテオミクスの研究者向けニュースサイトが研究代表者らの成果を取り上げた記事のページである。
すべて 2014 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 備考 (1件)
Clin Biochem.
巻: 47 ページ: 340-3.
doi: 10.1016/j.clinbiochem.2014.09.013.
Expert Rev Proteomics.
巻: 11 ページ: 405-7.
doi: 10.1586/14789450.2014.936390.
Schizophr Res.
巻: 157 ページ: 137-41
doi: 10.1016/j.schres.2014.05.009.
Clin Chim Acta.
巻: 435 ページ: 59-61.
doi: 10.1016/j.cca.2014.04.024.
http://acceleratingscience.com/proteomics/assessing-risk-for-alzheimers-and-dyslipidemia-with-apoe-serotyping/