研究課題
薬剤耐性菌による感染症を薬剤感受性試験ではなく耐性因子をターゲットとした検出方法により迅速に検出する方法の構築を目指している。本研究により薬剤耐性微生物が迅速に検出され、その耐性微生物に適切な治療薬が早期に選択されることが期待される。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌MRSAの耐性因子PBP2aを検出するイムノクロマトグラフィーの評価ではこれまでにMRSAとメチシリン感受性黄色ブドウ球菌MSSAが区別できる順調な結果が得られた(Yamada K. et al. Jpn J Infect Dis. 2013;66(2):103-8)。表皮ブドウ球菌を中心に高い分離頻度を示すコアグラーゼ陰性ブドウ球菌CNSに関しては、MRSAと同じ検体処理方法では耐性菌(MRCNS)が偽陰性になることが昨年度明らかとなった。今年度は、抗原の溶出方法あるいは抗原発現について検討を行い、手法を一部追加・変更することでMRCNSの検出にも応用できることが明らかとなった。カルバペネム耐性にかかわるベータラクタマーゼIMP-1に対する抗体を作成しIMP-1産生菌株が特異的に検出できたが、切替らによるイムノクロマトの開発及びその応用の発表(Tomoe Kitao et. al, J Microbiol Methods. 2011 87(3):330-7)を受け、計画を再考察することとした。タミフル耐性インフルエンザウイルスの検出については、ノイラミニダーゼの変異か所(H275Y)を認識するモノクローナル抗体を得た。組換えタンパク質の検討では耐性型組換えノイラミニダーゼを特異的に検出できており、本年度は臨床分離された耐性型および感受性型ウイルス株をMDCK細胞により増殖し、反応性を調査した。得られた抗体は耐性型ウイルスのみと反応し、感受性型ウイルスには反応しなかった。臨床的に迅速な診断が望まれる薬剤耐性微生物の検出に関して、臨床分離株を使っての実証を順調に進めた。
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