研究課題
本研究は、アミロイド線維に共存する蛋白質に着目し、質量分析装置を駆使して、新規アミロイド共存蛋白質を網羅的に同定するとともに、共存蛋白質の機能を解析し、治療分子や早期診断マーカーの開発を行うことを目的とする。前年度に引き続き、症例数を増やし、各種アミロイドーシス患者(AL, AA, SSA, FAP)のアミロイド沈着組織に存在する蛋白質をLC-MS/MSを用いて網羅的に解析した結果、治療分子や早期診断マーカーとなりうる蛋白質が多数同定された。FAPのアミロイド沈着組織の解析では、アミロイド沈着量の多い群に、多量に沈着しているいくつかの蛋白質を同定した。新たに同定された蛋白質のひとつであるビトロネクチン(細胞外分泌蛋白質)において、組織への沈着量は、アミロイドの沈着量と有意な相関を示すことが明らかとなった。また、チオフラビンTを用いたアミロイド形成抑制実験では、アミロイド線維形成を抑制するというデータは出ず、治療標的分子の特定には至らなかった。前年度に引き続き、SSAにおいて、血清クラスタリン濃度を測定した結果、FAPの場合と異なり、健常者に比べて、増加傾向は認められなかったことより、アミロイドのタイプによって蛋白質の挙動が異なる可能性が示された。しかし、本研究を実施していく過程で、副産物として、FAPにおいて、性差や年齢によって組織に沈着するアミロイドの構成成分が変化するという病態を見出し、本研究は、これまでに明らかとなっていないTTRアミロイド形成メカニズムを紐解く一助となった(業績参照)。クラスタリンおよびビトロネクチンの迅速測定法については、現在も検討中である。
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