研究課題
(1)SMB-1-captoprilの複合体構造解析昨年度に引き続き、SMB-1メタロβ-ラクタマーゼとcaptoprilとの共結晶を作製し、そのX線結晶構造解析を行った。昨年度はcaptoprilに相当する電子密度を確認することができなかった。そこで、酵素の精製工程から見直しを行い、新たな精製条件および結晶化条件で結晶作製を行った。その結果、1.8A分解能で得られた回折データの処理により、captoprilに相当する電子密度を確認することができた。予測通り、captoprilの持つチオール基とSMB-1の活性中心に存在する亜鉛との結合が観察された。(2)in silico screeningによるSMB-1阻害剤の探索SMB-1の構造情報をもとに、SMB-1の阻害剤探索をin silico screeningにより行った。ドッキングシミュレーションにより示されたスコアを指標に、阻害効果が期待される化合物で、市販品として入手可能なものを15個選び出した。この15個の化合物の阻害効果を、メロペネムの分解活性の低下を指標に、酵素学的速度論により評価した。その結果、8個については阻害効果が確認され、そのうち4個については特に強い阻害効果が確認された。本研究成果はメタロβ-ラクタマーゼの阻害剤開発に新たな知見を供するものであり、最終的に、メタロβ-ラクタマーゼ産生菌による感染症の治療法開発や、メタロβ-ラクタマーゼ産生菌の検査法の開発等につながる可能性がある。
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