本研究では、SMB-1メタロβ-ラクタマーゼ(MBL)のX線結晶構造解析を行った。SMB-1の構造は他のサブクラスB3 MBLであるAIM-1、L1、BJP-1と似ていた。活性中心には2つの亜鉛があり、その間に水分子が1つ存在した。この水は、β-ラクタム環の加水分解に利用されるものと考えられた。SMB-1の持つQ157アミノ酸はβ-ラクタム薬との結合に重要であると考えられた。また、SMB-1-メルカプト酢酸の複合体構造を決定した。メルカプト酢酸のチオール基とSMB-1の持つ亜鉛との結合が観察された。最後に、in silico screeningによる阻害剤探索を行い、4つの阻害剤を発見した。
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